こんなに淡々とした映画は観たことがないかも。
電車内での痴漢容疑で逮捕された青年の裁判劇だが、
周防監督がこだわった「リアル」がまざまざと描かれている。
普段の生活にはあまり関わることがない裁判の現状。
弁護士、検事、裁判長、知られざる実態が浮き彫りになっていて、
そこでは何が正義なのか、
何が道徳なのか、
誰が正しいのか、
何が嘘なのか、
観ているほうも真実が一つではないような気がおこってくる。
被告役となった加瀬亮のシンプルな演技がいい。
弁護士役のふたりもいいが、
個人的には最後の判決を下す裁判長役小日向文世の存在感が後味をひく。
裁判員制度も始まろうとしている昨今。
作品を観終わった後にどんな感想を持つかは、
この国で生活する人にとってそれが大事なメッセージになるのでは。